犬のPTSD

愛犬は我家にやってきて間もなく1年になりますが、これまで一度も公園などの広場に連れて行った事がなかったので、リモートワークの休憩を兼ねて最寄りの公園を訪れてみる事にしました。
従前の愛犬は公園が大好きで連れて行くと大喜びでしたので、この子もきっと喜んでくれるとばかり思っていたのですが、飼い主の思い空しく恐怖でしかなかったようです。
車から降ろして公園の入り口まで抱きかかえて行き、リードを繋ごうと下ろした途端パニックに陥った様で突然走り出してしまいました。
駐車場を突っ切り駐車場から出ようとしてたプリウスに轢かれかけ、そのまま車道に飛び出しました。
全速力で追いかけましたがダックスフントがこんなに早く走れるのかと思うほどのスピードであり、愛犬もろとも道路に飛び出し、二人仲良く轢かれる所でしたが5分ほど追いかけて漸く捕まえました。
犬も私も生涯初めて、周囲が見えないほどの全力疾走でしたが、この事を家族に話したら大変な剣幕で怒られました。反省。

気を取り直して再び公園に向かいましたが、憶病なこの子は終始震え、草陰に隠れて出てきません。
我家に来た当初から車を怖がり、外界も異常なまでに警戒しずっと震えています。
カウンセラーの如くこの恐怖心は何処から来ているのか推理したところ、ペットショップに来るまでの事がトラウマになっている事しか考えられません。
この子は熊本のブリーダーから送り出されたのですが、販売されていたのは横浜のペットショップ。
この時生後3ヶ月ですから、生後2ヶ月ほどで陸路か空路で延々運ばれてきた時の恐怖が記憶に刻み込まれている筈。
ブリーダーもペットショップも動物はあくまで商品として扱いますから、ゲージに放り込まれたまま長時間、揺られ、大きな音に怯え続けていたのでしょう。可哀想ですね。
自分の命を顧みず思いがけず車道に一緒に飛び出してしまいましたが、私にとってこの子はいつしか本当の子供と変わらない存在になっていた事を、この記事を書きながら初めて認識しました。